毎年お正月は奈良で過ごすのですが、今年はずっと前から行ってみたかった「くるみの木」へ出向くことができました。
かつて学生の頃は、とにかく麻、木目、アイボリーがおしゃれの象徴のように世の中に増えていき、本当の心地よさみたいなものを各自が求める行為とはかけ離れて、ナチュラルというのも言葉が独り歩きしていたように思います。
私ももちろんその流れに乗りたかった一人でした。
そしていま、十分大人と言える年齢になり現実的に自分の生活を自分で決められるようになり、そういった憧れみたいなものは消えて行ったし、消えて行くものだと思っていました。
くるみの木に行って、赤いやかんを見たときに
なにか、ポーンという優しい衝撃が走ったのを覚えています。
やかん、別段欲しくないのですが、赤いやかんというものが、私にはとても眩しく見えました。だいたいやかんは金が銀が多いし、赤である必要はどこにもない。でも、多分赤いやかんを買う人は、そういうことではない何かを決め手に買って行くのだろうな。
本当にいいな、と思って物を選ぶことについて小さくも大きな気づきがありました。
行ってよかった。
ルポタージュを描いて見たかったのですが、単なる感想絵日記となりました。